終活、つまり人生の最終段階に向けての準備は、どれくらいの人が実際に行っているのでしょうか?
この記事では、最新の調査データを基に、「終活割合」という観点から現状を詳しく解説します。特に、エンディングノートの作成という重要な終活の一環に着目し、どれだけの人がこの大切なステップを踏んでいるのかを見ていきます。
終活への関心が高まっている今、実際に終活を行っている人の割合について知ることは、自らの準備を進める上で非常に有益です。
この記事でわかること
- 終活をしている人の全体的な割合が意外な数字
- 終活を始める一般的な時期と、若年層の間で高まる関心
- エンディングノートを作成している人の驚きの割合
- 終活に関する全国調査の最新結果と未来予測
終活する割合は増えてる?それとも減ってる??
近年、終活に対する関心は高まっていますが、実際に終活を完了している人々の割合はまだ低いのが現状です。2018年と比較して、わずかながら増加はしていますが、その数値と現代社会での終活への関心との間には大きなギャップが存在します。
この章では、具体的な調査データを基に、終活をしている人の割合が実際にどのように変化しているのかを掘り下げていきます。

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終活をしている人の割合は現在どのくらい?
終活は人生の最終段階に向けた準備という名目ですが、実際にそれを行っている人の割合はまだ全体の少数というデータが今のところの現実です。
2023年の調査データによると、終活を完了している人は全体のわずか7.7%に過ぎません。
これは2018年の6.7%から少しだけ増えていますが、依然として10人に1人にも満たない状態です。
さらに、終活の一部だけを始めている人の割合は、2018年の32.2%から2023年には34.6%へと微増しており、終活への関心は少しずつ高まっているものの、多くの人がまだ終活を完遂していないのが現状です。
この状況は、新年に立てた健康や節約の目標を全て達成するのが難しいのに似ています。
初めは意気込んでスタートするものの、日常生活の忙しさにかまけて、いつの間にか元の生活パターンに戻ってしまうことがあります。
同様に、終活も始めることは容易いですが、すべてを継続して完了させるのは一筋縄ではいかないということです。
このため、終活のプロセスを小さなステップに分けて進めることが、実行を容易にし、より多くの人々が終活を完了できるようになるかもしれません。
終活はいつから始める人が多い?
終活を始める適切な時期は人それぞれですが、一般的には人生の大きな転換期に多くの人が終活を考え始めます。

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具体的には、60代や70代で終活を始める人が多いというのが現状です。
この年齢層は多くの場合、定年退職や子どもの自立など、人生の節目を迎え、自分の残りの時間をどのように過ごすか、またどのように整理するかを真剣に考え始めます。
しかし、最近の傾向としては、若い世代も終活に関心を持ち始めています。
特に20代や30代では、未来の不確実性や早期の生活整理の意識が高まっていることから、終活に取り組む人が増えています。
若年層の終活には、以下のような活動が含まれることが多いです。
- デジタル資産の管理:SNSアカウントの整理やオンラインでのデジタルフットプリントの管理。
- 健康管理計画:将来の健康を見据えた食生活の改善や運動計画の策定。
- 財務計画:退職計画や将来の財政的な安定を見据えた投資計画。
これらの取り組みは、大掃除を計画的に行うように、日々の生活の中で少しずつ進めることができます。
たとえば、休日を利用して部屋の片づけをするように、終活も生活の一部として自然に取り入れることが可能です。
このように終活を早期に計画的に始めることで、将来への不安を減らし、より充実した生活を送る準備ができるようになります。
実際エンディングノートを書く人の割合は?
エンディングノートとは、自分の人生に関する大切な事柄や未来に対する希望、財産の分配に関する意思などを記したノートのことです。
終活の一環として非常に有益なツールですが、実際にこれを書いている人は全体の中でまだ少数です。

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2021年の調査によると、終活に取り組んでいる人たちのうち、エンディングノートを作成しているのはたった8%に過ぎません。これは、終活を行っている人々の中でも、ほとんどがエンディングノートの作成に至っていないということを意味しています。
この低い割合は、エンディングノート=遺言書 のようにイメージしている人が多いことも大きな理由で「実感もなく、タイミングもまだまだ先の未来の話」という認識が強いという意識の現れだと思います。
または、エンディングノートの重要性には気づいているものの、実際に書き始めるのが難しいと感じる人が多い、という理由からも生じています。
多くの人が挙げる理由としては、「何をどう書いたらよいかわからない」、「書くことによって現実に直面するのが怖い」といった心理的なハードルがあります。
これは、たとえば新しいレシピで料理を始めたいと思っても、レシピが一般に出回ってないために、最初に何を用意して、どんな調理手順で、どこから手をつけていいか分からないと感じるのと状況がよく似ていますね。
エンディングノート作成のための簡単なステップ
エンディングノートを始めやすくするためには、以下のような簡単なステップを踏むことが役立ちます。
- テンプレートの利用:エンディングノートのテンプレートを使って、必要な項目を順番に埋めていく方法です。
- 小さなセクションから開始:全体を一度に書き上げるのではなく、一番書きやすいセクションから少しずつ始めます。
- 定期的な更新:一度書き終えたからといってそのままにしておくのではなく、定期的に内容を見直し、現状に合わせて更新することが重要です。
これらのアプローチによって、エンディングノートを書くことが少しでも身近で取り組みやすいものになるはずです。
以下に 終活ガイドCH【終活協議会】のYouutbe動画
「エンディングノートの書き方のコツを教えます!」を共有しましたので参考にしてくださいね。
終活意識全国調査の最新結果
2023年の終活意識全国調査によると、60〜74歳の間で「終活は必要」と感じる人の割合が全体の77.1%に達しているものの、実際に終活を開始しているのは42.4%と、半数以下です。
この差は、終活の重要性を認識しつつも、具体的な行動に移すまでのステップが多くの人にとって大きな障壁となっていることを示しています。
このギャップの存在は、新しい年の始まりに健康的な生活を心掛けようと計画は立てても、実際に日々の行動を変えるのが難しいという一般的な現象と似ています。
以下は、終活意識全国調査から得られた主なデータです。
- 「終活は必要」と感じる人の割合: 77.1%
- 実際に終活を開始している人の割合: 42.4%
- 終活を開始していない主な理由: 「まだ早いと感じる」「具体的な方法がわからない」「終活に対する不安や抵抗感」
これらのデータは、終活の普及と実践における現状の理解を深めるのに役立ちます。
さらに、この調査結果をもとに、終活に対する一般的な障壁を減らすための啓蒙活動やサポートプログラムの強化が求められています。
例えば、終活ワークショップの開催や終活プランニングの具体的なガイドラインの提供などが考えられます。
これらの取り組みは、終活をよりアクセスしやすくし、多くの人が終活を実践するきっかけを作ることができるでしょう。
終活をしない人の理由を解析
終活、つまり自分の人生の終わりに向けての準備は「人生を綺麗に終えるための準備」と考えると、それだけで少し重苦しいものになります。
では、多くの人が終活を始めない具体的な理由は何でしょうか?ここでは、主な理由を詳しく見てみましょう。

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「まだ早い」と感じる: 多くの人が、自分にはまだ終活が必要ないと考えています。特に若い世代では、老後や死について考えることは非常に遠い未来の話と感じられるため、終活を始める動機が薄れます。これは、若い時に健康診断を受けることの重要性が感じられにくいのと同様です。
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死を意識することへの抵抗: 終活を始めることは、自己の死を直接的に意識する行為です。このため、心理的な抵抗を感じる人が多いです。人間は本能的に自らの死を避けて考えたい生き物ですから、この抵抗感は非常に自然な反応です。
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情報の不足: 終活に関する具体的な情報が不足していることも、行動に移す障壁となっています。何から始めればよいのか、どのように進めれば効果的なのかがわからないため、手がつけられないという状況があります。
これらの理由を理解することで、終活を促進するためのアプローチを改善するヒントが得られます。
例えば、終活に関する啓発活動を若年層向けに分かりやすく展開する、終活のポジティブな側面を強調する、具体的なステップやチェックリストを提供するなどの方法が考えられます。
こういった啓発により、終活がより身近で取り組みやすいものとなるかもしれません。
そのそも終活とは何か?基本を解説します
終活とは、具体的には何をするのか、その基本について詳しく解説します。

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終活、すなわち「終末活動」は、人生の最後の段階に向けて心と生活の準備を整えることです。この活動は、自分自身の人生をどのように締めくくりたいか、そして家族にどのような負担も残さないようにするかに焦点を当てたプロセスです。
終活には以下のような主な活動が含まれます。
- 財産の整理: 財産を整理し、遺言を作成して、どのように資産を分配するかを決定します。
- エンディングノートの作成: 自分の人生観、治療や介護に対する希望、葬儀の希望などを記録するノートを作成します。
- 葬儀のプランニング: 自分の葬儀についての具体的なプランを立て、必要な手配を行います。
- 家族との時間の質を高める: 残された時間で、大切な人々との絆を深め、価値ある時間を過ごすよう努めます。
- デジタル遺産の管理: オンラインでのプレゼンス、例えばソーシャルメディアアカウントやデジタル写真などの整理を行います。
これらの活動は、人生の「大掃除」と考えることができます。
通常の掃除と同様に、終活もまた、物理的なものだけでなく、感情的な負担や未解決の問題を整理する過程です。このように段階的に準備を進めることで、自分自身も精神的に安定し、家族が直面するであろう困難を最小限に抑えることが可能になります。
終活は、ただ単に生涯の終わりに備えるだけではなく、自分の人生を振り返り、今後の生活をより豊かにするための機会としても利用できます。
これを行うことで、自分自身と家族が未来に向けてより良い準備ができるようになります。
終活のニーズ割合が近い将来どうなるかを予測する
将来、終活を行う人の割合はどのように変わるのでしょうか?高齢化が進む中で、終活の必要性はより広く認識されるようになると予想されます。
若年層の間でも終活への意識が高まっていることから、終活に取り組む人々の割合は将来的に増加する可能性が高いです。
この章では、社会的な動向、人口統計学的な変化を踏まえ、終活のニーズがどのように変化していくのかを予測します。

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終活を考える年齢はどのくらいからが妥当?
終活を始める「正しい」年齢は特に定められていませんが、多くの人は人生の大きな変化や節目を迎えたときに終活を考え始めます。
例えば、還暦を迎えた60代や、定年退職を控えた人々がそのタイミングで終活を考えることが多いです。
しかし、最近では若い世代でも終活に興味を持つ人が増えています。特に、病気を患ったり、大切な人を亡くした経験をしたりした場合、年齢に関係なく終活を意識し始めることがあります。
これは、旅行に行く前に荷物を準備するように、人生の「旅」の終わりに向けて準備をすることと考えると分かりやすいかもしれません。
つまり、終活は「いつかは始める」と思っていることを「今」始めるきっかけとなるわけです。
終活のアンケートで参加者の声を分析
終活に関するアンケートを通じて、参加者の声を聞いてみると、終活に対する意識は人それぞれであることがよく分かります。

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多くの参加者は終活の重要性には気付いているものの、具体的に何から始めたら良いのか、どのように進めたら良いのかについては不安を感じているようです。
特に、エンディングノートの作成や財産整理は意識はあるものの、実際に行動に移すまでが難しいという声が多く聞かれました。
これを日常生活に例えるなら、大掃除をする意志はあるものの、いざ始めようと思うとどこから手を付けて良いか迷う感じといえるでしょう。
このような意見を反映して、終活をサポートするための具体的なステップやチェックリストを提供することが有効だと考えられます。
終活のきっかけは何?人々を動かした理由
終活を始めるきっかけは人それぞれですが、一般的には人生の大きな変化がその引き金となります。

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例えば、定年退職、重い病気の診断、配偶者や親しい人の死など、人生の節目や大きな出来事が、自分自身の将来について真剣に考え始める理由となることが多いです。
これは、長い休みが始まる前に、旅行の計画を立てるようなものです。
日常生活で何か大きなイベントが控えていると、それに向けて準備を始めるのが自然ですよね。終活も同じで、人生の「大きなイベント」に備えて、事前に準備を進めるわけです。
また、終活セミナーやメディアでの情報提供がきっかけで興味を持ち、行動に移す人も少なくありません。
終活でコロナ時代に起きた変化とその影響
新型コロナウイルスの流行は、多くの人々の生活や価値観に大きな変化をもたらしましたが、終活に対する意識にも影響を与えました。
コロナ禍を通じて、人々は突然の健康の危機や、予期せぬ隔離生活を経験し、それが終活を考えるきっかけとなったのです。
突然の状況変化が、自分や家族の未来に対する備えの重要性を浮き彫りにしました。
このような状況は、まるで突然の大雨が降ってきて、急いで傘を探さなければならなくなる状況に似ています。
コロナ時代には、デジタルツールの活用が進んだことも、遠方にいる家族と連絡を取り合う手段として、またエンディングノートのデジタル化など、終活の方法にも新たな変化をもたらしました。
終活のイメージに誤解があるのかも。人々が持つ終活の認識
終活について話すとき、多くの人がそれを「死に備える活動」と厳しく考えがちです。

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しかし、終活はもっと幅広い意味を持っています。終活は、人生の終わりに向けて準備をすることだけでなく、現在をより良く生きるための活動の意味が含まれます。
例えば、将来のことを考えて財産を整理する、大切な人との時間を大切にする、趣味や旅行を楽しむなど、人生を充実させるための一環として終活を捉えることができます。
このようなポジティブな側面を理解することで、終活に対するネガティブなイメージを払拭し、より多くの人に受け入れてもらえるようになるかもしれません。
この認識の変化は、例えばお片付けが単なる掃除ではなく、新しい生活スタイルを作る機会と考えるようなものです。
終活の実際データ:数字で見る終活の動向
冒頭のデータに触れますが、終活に関する最新のデータを見てみると、終活を完了している人の割合は2023年で7.7%と、まだ全体の少数ですが、2018年の6.7%から徐々に増加傾向にあります。

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終活の一部を始めている人の割合も、2018年の32.2%から2023年には34.6%へと微増しており、世間では徐々にでも終活への関心が高まっていることが伺えます。
これらの数字は、終活がまだ広く普及しているわけではないものの、少しずつ多くの人々に受け入れられ始めていることを示しています。
このデータは、終活がどのように進展しているかを知るための重要な指標となります。
まるで、健康診断の結果を見て自分の健康状態を確認するようなもので、終活の「健康状態」をチェックするためのものです。
終活を50代から始めるケース
終活を50代で始めるという選択は、多くの人にとって賢明な判断となり得ます。

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この年代は多くの人が子育てが一段落し、自身のキャリアも一定の節目を迎える時期です。
また、健康面でまだ活動的であるため、将来に向けた計画を立てやすいという利点があります。
終活には、遺言書の作成や財産整理、エンディングノートの記入など、じっくりと考えを巡らせる必要がある活動も含まれますが、50代ならばこれらを落ち着いて進めることができます。
これを、例えば長期の休暇を利用して家族で旅行を計画するようなものに例えることができます。
事前にしっかりと準備をしておけば、より安心して楽しむことができるのと同じ理由です。
終活の割合が今後どうなるかの予測まとめ
終活に関する意識は、今後も徐々に高まっていくと予想されます。
高齢化が進むにつれて、終活の必要性を感じる人は急速に増えるでしょう。

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この記事のポイント
- 終活を完了している人の割合は2023年で7.7%、2018年は6.7%
- 終活の一部を始めている人の割合は2018年の32.2%から2023年には34.6%に微増
- 終活は人生の大きな転換期に多くの人が考え始める
- 60代や70代で終活を始める人が多い
- 若年層も終活に関心を持ち始め、20代や30代で取り組む人が増えている
- 若年層の終活活動にはデジタル資産の管理や健康管理計画が含まれる
- エンディングノートを作成しているのは終活に取り組む人の8%に過ぎない
- 終活に取り組む人がエンディングノートを書いていない割合が大きい
- 終活意識全国調査で60〜74歳で「終活は必要」と感じる人は77.1%
- 実際に終活を開始しているのは42.4%
- 終活を始める主な理由は定年退職や重い病気の診断などの人生の節目
- コロナ禍で終活への意識が高まり、デジタルツールの活用が進んだ
特に、若年層の間でも終活への関心が高まっている点は注目に値します。終活に早期から取り組むことで、将来への不安を軽減し、より充実した老後を送ることが可能になるため、多くの人が終活を生活の一部として取り入れるようになると考えられます。
また、デジタル化の進展により、オンラインで簡単に遺言を作成したり、デジタル資産を管理したりするツールが普及することも、終活の割合を増やす一因となりそうです。
これは、スマートフォンやアプリの普及が日常生活に大きな変化をもたらしたのと同様、新しいツールが終活を身近なものに変えていくプロセスと言えるでしょう。
このような理由から、まだしばらくの間は、世の中の終活事情は低迷すると考えられますが、近年は行政や政府なども「終活」のサポートを積極的に取り入れるようになってきている事に注目したいです。
このため、おそらく2030年ごろからを目処に、終活が急速にピークに向かっていく社会現象(ブーム)のようなものがきっと訪れるはず、と筆者は予想しています。
その時点で、日本という国は深刻な、本格的な高齢化社会の真っ只中にあるはずですからね。
参考
-
厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/)
- 厚生労働省のウェブサイトでは、健康、福祉、予防医療に関連する情報が提供されており、終活に関連する健康や医療の意思決定に関する情報も見つけることができます。
-
内閣府 高齢社会対策(https://www8.cao.go.jp/kourei/)
- 高齢者の社会参加や生活支援に関する政策が掲載されており、終活を含む高齢期の生活設計に役立つ情報が豊富です。
-
総務省 統計局(https://www.stat.go.jp/)
- 日本の人口統計や健康に関する統計データを提供しており、終活についての社会的トレンドや必要性を理解するのに有効な情報源です。
-
- 法務省のウェブサイトでは、遺言や成年後見制度など、終活に直接関連する法的な情報が提供されています。